熱暑の夏もどうやらあとひと息、ここ数日の東京は気温も湿度も下がって来ています。
「秋来ぬと 目にはさやかに見えねども 風の音にぞおどろかれぬる」
平安時代の歌人、藤原敏行(ふじわらのとしゆき)のこの和歌を皆様もご存じのことと思います。
古今集に収められたこの歌は「秋立つ日、よめる」、立秋の日に詠んだと詞書され、秋になった兆しは目には見えないが、風の音の気配に秋を感じて驚いた・・、季節の密やかな移り変わりが繊細に捉えられています。
小倉百人一首にも藤原敏行の歌は選ばれています。
「すみの江の 岸による浪よるさへや 夢のかよひぢ人目よくらむ」
今年の夏、蝉が鳴き始めるのが私にはずいぶん遅く感じられました。
8月に入ってようやくアブラゼミ、すぐにミンミンゼミ。
お盆を過ぎてツクツクボウシ・・、セミの声も秋の訪れを告げていたのですね。
さて、秋といえば台風の訪れも。
今週週末は台風15号が九州から関東まで横断の予報です。
先週までは日本上空の高気圧が強くて、近づく台風はみな西に逸れていましたが、15号は東京にも来そうです。
元々15号は予報では日本に近づく気配が全くなかったのですが、どうやら原因は琴古流尺八の徳丸十盟さんにあるようで・・。
実は彼は知る人ぞ知る、行く先々に雨を降らせる稀代の雨男。
その十盟さん率いる「雅道会の演奏会」が9月1日、東京直撃予報のその日に東京で。
以前ブログでもご紹介した酒井松道師が「尺八界雨男」の西の横綱ならば、十盟さんは間違いなく東の横綱。
15号は雨台風。
天気予報をTVで見ながら、なるほどと納得の今日でした。
(理事長 藤本)