じゃぽブログ

公益財団法人日本伝統文化振興財団のスタッフが綴る、旬な話題、出来事、気になるあれこれ。

第56回小唄まつり「市丸賞」

7月5日と6日の2日間にわたって「ビクター名流小唄まつり」が日本橋三越劇場で開催されました。今年で56回を数える「小唄まつり」ですが、各流派から両日あわせて165番、のべ250名の方々にご出演いただき、盛況でした。
 (2日間のプログラム。毎年絵柄が変わります)
第一部では、すぐれた演奏(唄)をされた方に奨励賞として「市丸賞」(各日1名)と「優秀賞」(若干名)をさし上げています。今年の受賞者は次のとおりです。

7月5日 【市丸賞エントリー5組】
ビクター小唄奨励賞 市丸賞  
 該当者なし
ビクター小唄奨励賞 優秀賞
 蓼 時あや(たで ときあや) (糸:蓼 満沙)
 曲目 「満月」 

7月6日 【市丸賞エントリー6組】
ビクター小唄奨励賞 市丸賞 
 田村 成美(たむら しげみ) (糸:田村 弓路)
 曲目 「辰巳よいとこ」「夕立やさっと」
ビクター小唄奨励賞 優秀賞
 長生 恭帆(ちょうせい きょうほ)(糸:長生 松帆)
 曲目 「梅月夜」

市丸賞を受賞した田村成美さんは、プログラムを見て名前から女性だと思い込んでいましたら、実は28歳の男性でした。審査員の竹越治夫先生の講評によると、先生に習ったとおり写すだけでなく、独自の世界をもっているのが評価されたとのこと。あとで伺ったところ、田村成美さんは清元成美太夫のお名前で、清元節太夫としても出演されているそうです。小唄の創始者は清元お葉といわれていますが(→小唄160年 - じゃぽブログ)、清元の素養がいかされているのでしょう。今後も小唄での活躍を大いに期待したいと思います。
小唄の世界では、80歳以上のベテランもお元気でがんばっていらっしゃいますが、これを機会に20代、30代の出演者がもっと増えてくれるといいなぁと思ったことでした。

(Y)