今年の桜は、開花宣言から一気に満開になりました。財団事務所の近くには北の丸公園や千鳥ヶ淵、靖国神社があり、今週は都心でお花見を楽しむ人でにぎわっています。
写真は今年のものではありませんが、この時期のお昼休みに昭和館のほうから撮ったもの。武道館の屋根が見えますでしょうか。
さて、今年も7月7日(火)と8日(水)の両日、日本橋三越劇場で「ビクター名流小唄まつり」が当財団の主催で開かれます。小唄は昭和30年代が最盛期だったそうで、その頃に始まったビクター名流小唄まつり」は今年で55回を数えます。
小唄を唄ったり鑑賞したりして楽しむ愛好家は全国にいて、当財団で制作した「復刻・新編 小唄ベスト120 」(CD5枚組)も人気があります。しばらく品切でご迷惑をおかけしましたが、現在はCDショップやネットショップで購入できるようになりました。その間、お問い合わせをいただいたなかには、プレゼントにしたいので早くほしいという方もいました。
→じゃぽ音っと作品情報:復刻・新編 小唄ベスト120(5枚組) / 小唄各派
「復刻・新編 小唄ベスト120 」は、昭和初期からの名流・名曲・名演を収めて「小唄の生きた教科書」と大絶賛された「小唄ベスト100」(昭和60年にビクターから発売されたカセット・テープ企画)を、単なる復刻にとどまらず、新たに二十数曲加えて、さらなる充実をはかったCD集です。
伊東深水、十七代中村勘三郎、七世藤間勘十郎など、昭和の名士たちによる小唄も番外として収められていて、「ベスト120」といいながら、実は140曲が収録されています。この5枚で、小唄の代表曲をほぼすべて聞くことができます。
76ページある解説書には、小唄研究の第一人者、舘野善二氏による小唄の歴史「小唄流転」や「曲目解説と演奏者の紹介」が掲載され、歌詞や演奏者の写真もあり、手軽な「小唄の事典」になっています。
この解説書によれば、小唄の第一号といわれる「散るは浮き」を清元お葉(きよもと・およう)という16歳の女性が作ったのは、安政2年(1855年)とのこと。今年はちょうど「小唄160年」にあたります!
日本の音楽のなかでは歴史が浅いほうですが、清元をはじめ、長唄や古曲、歌舞伎などのエッセンスを取り入れた小唄は、新しい形に生まれ変わって生き続ける古典ということができそうです。
興味のある方は、ぜひCDを聞いてみてください。そして、生の演奏が聞ける「小唄まつり」にも足を運んでいただければうれしいです。
「ビクター名流小唄まつり」は全体が三部に分かれていて、第二部は推薦の部、第三部は講師演奏ですが、第一部では優れた演奏(唄)をした方(各日1名)に、ビクター専属芸術家として活躍した市丸師の名を冠した奨励賞を贈り、顕彰いたします。出演ご希望の方はこちら(→ 第55回 ビクター名流小唄まつり | jtcf.jp – 公演)をご覧のうえお問い合わせください。
(Y)