じゃぽブログ

公益財団法人日本伝統文化振興財団のスタッフが綴る、旬な話題、出来事、気になるあれこれ。

紀尾井ホールへの道【番外編】

紀尾井ホールへの道【桜編】の記事を書いた2週間後、赤坂見附から四ッ谷までのひと駅分、友人たちと散策する機会がありました。この日は紀尾井ホールは素通りしたのですが、「紀尾井への道【番外編】」として紹介します。
まずは赤坂見附駅から弁慶橋を渡って外堀の内側へ。
グランドプリンスホテル赤坂の入口に紀尾井町の「紀」の由来となった紀州徳川家屋敷跡の碑があります。

その先にあるのが清水谷公園。雨に洗われたカエデの新緑やツツジが鮮やかでした。


お向かいがホテルニューオータニで、これは紀尾井町の「井」、彦根藩井伊家の中屋敷跡とのこと(写真を撮り忘れました)。
左に曲がって紀尾井坂を登る角には、以前は歌舞伎俳優の尾上松緑さんのお宅があったそうです。そういえば歌舞伎座で、松緑さんに「紀尾井町!」と声がかかっていました。
坂を登りきると右が紀尾井ホールですが、この日はニューオータニの敷地に沿って左に折れ、迎賓館の東門をめざしました。この道はお堀にかかった橋の跡で、その真田(さなだ)堀は埋め立てられて、いまは上智大学のグラウンドになっています。思いのほか緑の濃いのどかな土手をのぞむことができました。迎賓館も紀州徳川家の屋敷跡で、東門は当時の姿のまま残っていますが、あいにく工事中で見られませんでした。残念。
もう一度紀尾井ホールのほうへ戻って左に折れ、四ッ谷駅への道を向かいます。
紀尾井ホールの楽屋口の横に紀尾井の「尾」の碑があります。お隣は料亭の福田家さん。上智大学も含めて尾張徳川家の屋敷跡だとか。どのお屋敷も広大だったんですね。

そこからおなじみの土手に上がって四ッ谷駅へ。八重桜がちょうど咲いていて、弁慶橋からニューオータニにかけての並木もみごとでしたが、四ッ谷の土手もきれいでした。2週間前に満開だった桜はすっかり青葉となっていましたが、この季節も楽しい紀尾井町の散策です。

さて、最後にお知らせです。5月31日(火)紀尾井ホールで、当財団主催のチャリティ公演「古典芸能の夕べ」があります。午後6時開演、4時半開場です。その頃にはもっと緑が濃くなっていると思いますが、紀尾井ホールへの道を楽しみながらお出かけになりませんか。
詳しくはこちらの記事「チャリティ公演のお知らせ」をご覧ください。

(Y)