じゃぽブログ

公益財団法人日本伝統文化振興財団のスタッフが綴る、旬な話題、出来事、気になるあれこれ。

靫猿(うつぼざる)

一昨日のブログ→第42回邦楽演奏会、開催 - じゃぽブログでもご紹介しました、国立小劇場でのこの会→公演情報:第42回 邦楽演奏会〔2012 都民芸術フェスティバル参加公演 特別料金〕【日本伝統文化振興財団 じゃぽ音っと】(詳しい演目、出演者の情報がご覧になれます)
一昨日のページでは、国立劇場敷地内の花や鳥の写真も見れますので、是非ご覧下さい。→
3/31まで続く、このフェスティバルの「邦楽 Japanese traditional music」として開催されました→http://pr.enjoytokyo.jp/tominfestival/
本当に多彩な演目が観れましたので、ここだけでは語り尽くせません。第二部の最後は「靫猿(うつぼざる)」でした。これについて少し・・・こちらからの引用です→http://www.tarokaja.com/wiki.cgi?page=%F0%D6%B1%EE
この日の演奏は「長唄 靭猿」。もとは狂言の演目です。

靫猿の靫とは、矢を容れて背負うための筒状の容器のことです。ふつうは竹製で漆塗りのものですが、猿皮をかけた靱が当時の伊達者の間で流行していたそうです。
あらすじは、
狩りに出かけた大名は道で猿を連れた猿曳きに出会う。前々から靱に猿皮をかけたいと思っていた大名は、猿曳きに猿を譲れと言う。猿曳きは断るが、弓矢で脅すのでやむなく承知する。猿曳きは猿を引き寄せ、因果を含めて打杖で殺そうとするが、無邪気な猿はその杖を取って船の艪を押す芸をする。そのいじらしさを見た猿曳きが殺しかねて泣き出すと、大名も 哀れと思い命を助ける。 猿曳きは喜んで、お礼に猿に舞を舞わせる。機嫌をよくした大名は褒美に扇や小刀、衣服までを与え、自ら猿の仕種を真似て興ずる。

というもの。

印象的なのは、猿が命拾いした後、喜ぶ猿曳きの目に映る爽やかな春の隅田川沿いの夕焼けの風景がことさらに美しいことですね。

山本 泰太郎(やまもと やすたろう)さんは昭和51年、狂言「靭猿(うつぼざる)」の小猿で初舞台を踏まれたそうです→http://japan.japo-net.or.jp/cultivate/recipient/recipient_15.shtml
野村萬斎(のむら まんさい)《狂言方和泉流》さんも三歳で演じたそうです→じゃぽ音っと作品情報:—能と花の二夜— 能「道成寺〜赤頭」 /  観世喜正、野村萬斎 ほか
カセットですが、こちらに入っています→じゃぽ音っと作品情報:邦楽百選 名曲選[27] 地歌名曲選 /  富山清琴

(J)