じゃぽブログ

公益財団法人日本伝統文化振興財団のスタッフが綴る、旬な話題、出来事、気になるあれこれ。

猿之助襲名披露そして『猫忠』

http://www.asahi.com/culture/update/0511/TKY201205110161.html 一昨日5/11の朝日新聞デジタルより。

観たいですねぇ〜、新橋演舞場の襲名披露公演。こちらのブログをご覧になっていただきますと感慨深いです→受け継ぐもの - じゃぽブログ

4/27のブログでご紹介していた渋谷ヒカリエのヒカリエホール【四代目市川猿之助襲名記念「二代目市川亀治郎大博覧会」】内の「亀治郎シアター」で『義経千本桜』川連法眼館の場(通称四ノ切)の早替わりの舞台裏などを撮影したドキュメンタリーフィルムを観てきました。(注意:この亀博は5/9までで終了しています)→渋谷ヒカリエOPEN! - じゃぽブログ

「四ノ切」はスーパー歌舞伎ではありませんが、三代目猿之助を受け継いで、宙乗りなどのケレンもたっぷり演出されています。下の画像は亀博で展示されていた舞台セットと宙乗りの形に吊した源九郎狐の衣装。展示物のうち、このセットだけは入場者の撮影が許されていました。

四代目が六月に演じるこの義経家臣佐藤忠信に化けた源九郎狐。上の画像で手に持っているのは鼓の皮にされてしまったこの子狐の両親なのです。

正体を現した源九郎狐は人間ではないことを表現するために独特な言葉遣いをする狐言葉で話します。単語の語尾を思い切り伸ばしたかと思うと今度は早口に縮め、言葉が伸び縮みするような話し方です。

ちょうど前回5/7のブログで「シネマ落語」をご紹介した時に、その中の演目には『猫忠』がありました→スーパームーン:月の輝く夜に - じゃぽブログ
『猫忠(猫の忠信)』は、上記の『義経千本桜』川連法眼館の場(通称四ノ切)のパロディになっている落語です。落語の最後のほうで正体を現す猫の台詞はやはり狐言葉の技法で落語家が話します。猫が正体を現す時には歌舞伎よろしくヒュ〜ドロドロドロ〜、と鳴り物が入ります。『義経千本桜』を知っているとより楽しめるわけですね→YouTube
落語は一人で何役もこなし、セットがなくても聞き手には情景が見えるのが素晴らしい!
上の動画で『猫忠』をお聴きになると、師匠の技に引き込まれて他の演目も聴きたくなります。そんな時はこちらをどうぞ→じゃぽ音っと作品情報:六代目 三遊亭圓生十八番集(7枚組) /  六代目 三遊亭圓生

(J)