今年4月11日の当ブログ(「6月から、池田コレクション・斎藤真一展」)でもご紹介していた上越市立総合博物館での斎藤真一展のチラシが出来上がりました。素晴らしいデザインです。表面を飾っている絵は、《瞽女唄[越後瞽女日記]》1972年。
池田敏章コレクション
斎藤真一 瞽女 GOZE
会期:2012年6月23日(土) ― 9月2日(日)
休館日:月曜日(祝日の場合はその翌日・8月13日は開館)
開館時間:午前9時 ― 午後5時
入館料:一般 300円 小中学生 150円
協力:ギャラリー朱雀院、高田瞽女の文化を保存・発信する会
会場・問い合わせ:上越市立総合博物館(◆)
〒943-0835 新潟県上越市本城町7-7(高田公園内)
電話 025-524-3120
チラシの裏面には以下の案内文が掲載されています。
斎藤真一が「瞽女(ごぜ)」の存在を知ったのは、1961年(昭和36)のことです。パリで親交を深めた藤田嗣治の勧めで東北の地を旅したときに、津軽三味線の音色に惹かれて、宿の古老から瞽女の話を聞きました。瞽女とは、三味線を手に村々を門付けして歩く目の不自由な女性たちのことです。1964年には高田瞽女最後の親方・杉本キクイと運命的な出会いがあり、以後10年にわたって瞽女たちの足跡を訪ね歩き、独特の赫の色彩で描かれた「越後瞽女日記」を完成させました。
北海道在住の池田敏章氏は斎藤作品に魅せられて、若いころから作品・資料収集に取り組まれました。そして、今年、斎藤作品や瞽女について広く知ってもらうことを願い、高田瞽女の市民活動が盛んな当市にコレクションをご恵贈くださいました。
本展では、池田敏章氏からご恵贈いただいたコレクションを一堂に紹介いたします。
池田さんが斎藤真一さんの絵を初めて観たのは、昭和57年(1982年)京都の画廊でのこと。それから30年にわたって、まさに生涯をかけて斎藤真一作品の収集を続けてこられました。収集点数は油彩60点、総点数180点余り。その中から、昨年、上越市に96件(149点)が寄贈されました。今回の展覧会では、その全てが展示されます。そして、これは前にも当ブログで書いたことですが(◆)、斎藤真一さんの絵は表面が何度も磨かれていて、実物を間近で見ると、比喩ではなく本当に発光しているのです。さらにまた、色にしても、赤のなかにもたくさんの階調があり、その独特な世界は印刷を通じて再現することが非常に難しいと思われます。
会期中には次の関連イベントもあります。
池田敏章氏によるギャラリートーク
〈日時〉 6月23日(土) 10:00〜
〈会場〉 上越市立総合博物館展示室内
〈参加費〉 無料(ただし入館料が必要)
〈定員〉 50人
〈申し込み方法〉 博物館に電話で申し込み。
〈受付開始〉 6月12日(火)から。定員になり次第、締切り。学芸員によるギャラリートーク
〈日時〉 7月28日(土)、8月11日(土) 14:00〜
〈会場〉 上越市立総合博物館展示室内
〈参加費〉 無料(ただし入館料が必要)
※申し込み不要
池田さんとの再会を楽しみにしていたのですが、丁度この日は、国立劇場での、東日本大震災復刻支援「東北の芸能 I 〔岩手〕」公演があり、すでにチケットを購入済み(詳しくは以前のブログ記事でご紹介しました→ ◆)。
しかもこの日の夜7時からは、吉祥寺のカフェ・ズミで、土取利行さんによるコンサート<土取利行の邦楽番外地 近代流行歌の元祖、添田唖蝉坊・知道を演歌する>もあります。国立劇場の公演が6時半終了予定なので、途中から吉祥寺へ、とも思いましたが、前回のズミでの演歌コンサートは満員札止めだったので、うううん、どうなるか・・・
いずれにしても23日の池田敏章さんのギャラリートークには伺えず、残念です。しかし、この斎藤真一の質・量ともに秀でた貴重な展覧会は、今年の日本美術界の重大なエポックになることは間違いなさそうです。
(堀内)