じゃぽブログ

公益財団法人日本伝統文化振興財団のスタッフが綴る、旬な話題、出来事、気になるあれこれ。

深川探索

新年の参拝、そして厄払いの祈祷をお願いするため、1月6日に深川の八幡さま「富岡八幡宮」(東京都江東区)に参りました。そもそも、なぜ深川を選んだかと言いますと、東京新聞12012年12月31日(月曜日)の「東京トリビア」という連載に、門前仲町が取り上げられていたからでした。江戸時代、この界隈は「辰巳」と呼ばれており深川の花街を指した、ということです。かつては「辰巳芸者」で華やいだ「辰巳」も、今は昔。深川の花柳界は絶えてしまったそうですが、それでも江戸のにぎわいと雰囲気を楽しみに、詣でることにいたしました。

まず、驚いたのはさすがの賑わい。門前仲町交差点の辺りから富岡八幡までの永代通りの北側歩道、および深川不動尊の参道にて毎月1日、15日、28日に深川縁日が催されるそうです。この日は6日で縁日の日ではありませんでしたが、松の内のためか、数多くの露天が立ち並んでいました。富岡八幡宮は1627年に創建された後も、庶民の信仰を集め続ける江戸最大の八幡さま。人、人、人、活気に満ちています。

富岡八幡宮

江戸時代には神社の修繕などの寄付を集める興業としての「勧進相撲」が京都・大阪・江戸等で行われ、富岡八幡宮は江戸に於ける発祥の地だそうです。境内で本場所が催されたこともあったとか。その境内を左手に進むと横綱力士碑が立っており、現在に至るまでの横綱の名前が刻まれております。中でも、千代の富士、の名が目立っていましたが、それにはわけがあります。石のその部分が、訪れる人に愛で撫でられて真っ黒になっていたからです。その昔、江戸っ子も相撲に熱狂したのでしょうか、そんなことを思いながら石碑を後にしました。

横綱力士碑>

最後は、東京新聞にも写真が掲載されていた、辰巳新道に向かいました。昔の地名である「辰巳」の名がここにはまだ使われています。こちらは飲み屋街になっていて、発祥は戦後ですのでその歴史は上の二つに比べれば浅いですが、下町情緒あふれレトロな雰囲気のある、とても素敵なところでした。

<辰巳新道>

さて後日、財団の制作担当者にこの日の探索の話しをしたところ、深川情緒を読者のみなさまに感じていただけるとっておきのCDがあるとのこと。是非みなさまにもお聴きいただきたく、ここでご紹介させていただきます。昨年12月19日に発売されたばかりです。どうぞ、よろしくお願いいたします。

じゃぽ音っと作品情報:深川恋なさけ/萬代の舞 /  相原ひろ子 


「深川恋なさけ/萬代(よろずよ)の舞」 相原ひろ子(VZCG-10548 12cmシングルCD



「深川恋なさけ/萬代(よろずよ)の舞」 相原ひろ子(VZSG-10612 カセット

(弘)