じゃぽブログ

公益財団法人日本伝統文化振興財団のスタッフが綴る、旬な話題、出来事、気になるあれこれ。

日本三景「宮島 」世界文化遺産「嚴島神社」


「原始宗教のなごりで、島全体が神の島として崇められていましたので、陸地では畏れ多いと海中に社が建てられました」こちらに詳細→嚴島神社|観光スポット|一般社団法人宮島観光協会
江戸時代のはじめ、全国を行脚した儒学者林春斎(はやししゅんさい)により日本三景のひとつとされた「宮島(みやじま)」。そして宮島を背後にしてその入江の海のなかに木造建物が建ち並ぶ「嚴島神社(いつくしまじんじゃ)」は1996年に世界文化遺産となりました。
安芸の宮島 観光ガイド 【公式】 日本三景
世界遺産 文化遺産オンライン
7/21は日本三景の日→人と神々が共に生きる島~宮島 宮島物知り図鑑:日本三景・厳島八景


<写真>フェリーからの宮島の眺め、外国人の方も多く訪れていました。日本三景の碑。

広島県廿日市市(はつかいちし)にあるJR西日本の宮島口駅からフェリーで宮島に渡ります。所要時間は10分ほどなのであっという間ですね。島に入るとまずは鹿が人気。この時は暑さのせいで鹿もスローペースだっただけかもしれませんがおとなしかったです。が、「鹿がいたずらします」「鹿は紙も食べますので紙幣に注意」等の看板を島内で見かけました。

<写真>奈良ほどではないが島内には鹿が多い。世界遺産の碑。

駅から嚴島神社へ向かう表参道商店街では、いたるところで名物の焼き牡蠣が売られていましたが、今回は名物穴子の入ったうどんを頂きました。名産の穴子と卵がたっぷり入ってまろやかな味でした。お値段も安くてgoodです。

嚴島神社について、宮島観光公式HPより→人と神々が共に生きる島~宮島 嚴島神社
以下はそのHPから抜粋(赤くした部分は筆者による)

大鳥居(おおとりい)《重要文化財
本社火焼前(ひたさき)より88間の海面にそびえる朱塗りの大鳥居は、奈良の大仏とほぼ同じ高さの16m、重量は約60t。主柱は樹齢500〜600年のクスノキの自然木で作られており、8代目にあたる現在の鳥居を建立するにあたっては、巨木探しに20年近い歳月を要したといいます。また根元は海底に埋められているわけではなく、松材の杭を打って地盤を強化し、箱型の島木の中に石を詰めて加重するなど、先人の知恵と工夫によって鳥居の重みだけで立っています

本殿(ほんでん)《国宝・平安時代
繊細かつ華麗な切妻両流造りで、正面には緑青塗りの引き違いの菱形の格子戸がはめられた本殿には、市杵島姫(いちきしまひめ)・湍津姫(たぎつひめ)・田心姫(たごりひめ)の宗像三女神が祭られています。屋根に神社の定番とも言える千木と鰹木を持たず、桧皮葺の屋根に瓦を積んだ化粧棟のスタイルを取り入れた寝殿造りならではの様式が特徴です。現在の本殿は元亀2年(1571年)、毛利元就によって改築されたものです。

平舞台(ひらぶたい)《国宝・平安時代
寝殿造りの庭にあたる部分で、広さは167.6坪(約553平方メートル)。安元2年(1176年)、平氏一門が社参して千僧供養が行われた際、社殿の前方に仮廊を設けたという記録があり、こうした仮廊が常設となったものともいわれます。前方には火焼前(ひたさき)と呼ばれる突き出た箇所があり、管絃祭の出御・還御はここから行われます。また他の社殿の束柱は木造ですが、この平舞台を支えるのは、毛利元就によって寄進されたと伝えられる赤間石の柱。火焼前分と合わせると239本あります。

高舞台(たかぶたい)《国宝・平安時代
本社祓殿前にある、黒漆塗りの基壇に朱塗りの高欄をめぐらし前後に階段をつけた舞台で、平清盛が大阪・四天王寺から移したという舞楽がここで演じられます舞楽の舞台としては最小のもの。現在の舞台は天文15年(1546年)、棚守房顕によって作られたもので、当初は組立て式だったものが江戸時代初期に現在のような作り付け構造になったと考えられています。

能舞台(のうぶたい)《重要文化財・江戸時代》
国内でも唯一の海に浮かぶ能舞台。現在、重要文化財に指定されている国内5つの能舞台のうちの1つでもあります。厳島での演能は、永禄11年(1568年)の観世太夫の来演がその始まりとされ、慶長10年(1605年)には福島正則が常設の能舞台を寄進。現在の舞台と橋掛及び楽屋が建立されたのは藩主が浅野氏に代わった延宝8年(1680年)のことです。この能舞台海上にあるため通常は能舞台の床下に置かれる共鳴用の甕(かめ)がなく、足拍子の響きをよくするため舞台の床が一枚の板のようになっているのが特徴。春の桃花祭神能がこの舞台で演じられるほか、茶道表千家裏千家家元が隔年交互に執り行う献茶祭ではここでお茶が点てられ御神前に献じられます。

上記の平舞台の説明にも記載されている主な年中行事の管絃祭は、今年は7月24日に行われました。大阪の“天神祭”、松江の“ホーランエンヤ”とともに日本三大船神事にかぞえられる嚴島神社最大の神事で、旧暦の6月17日に行われる管絃祭は、平清盛が朝廷や京の社寺で行われていた管絃を移したものと伝えられています。

私が嚴島神社の廻廊を訪れた時間は満潮を過ぎて潮が引き始めた頃だったので、海水の引いた床下の地面には無数の穴が開いて沢山の蟹が出てきました。潮干狩りをしている人々もいました。

神社から歩いて5分ほどのところに炎天下を避けて涼むにはもってこいの「みやじマリン 宮島水族館」がありますので入館。宮島水族館の概要:宮島水族館 - みやじマリン(公式HPのホームに行くと音が出ます)
瀬戸内海の生物を中心とした展示構成の水族館で、さきほど干潟で見た蟹の中でも片方のハサミだけが白くてやけに大きく目立っているのはハクセンシオマネキだったようです。
http://www.miyajima-aqua.jp/letter/list.html?id=100
水族館の目玉のスナメリ(ネズミイルカ科スナメリ属に属する小型のイルカ)は瀬戸内海の食物連鎖の頂点に位置するようで、こちらの水族館では長く調査・研究、繁殖に取り組んでいるようです。ペンギンプールで空を飛ぶように泳ぐペンギンを下から見あげて、ライブプールではアシカのショーもあります。様々な海の生物の水槽を見て回るともう閉館時間。帰りのフェリー乗り場に向かう途中、しばし腰を下ろして潮騒の音に耳を傾け夕刻の海を眺めました。

<写真>水族館にあったディスプレイ。夕刻の海、ここはずっといたいような気持ちのいい場所でした、次回は島内で一泊できるとゆっくりできていいかもしれません。登山もできるようですし→歩いて登山 3ルート|観光・登山モデルコース|一般社団法人宮島観光協会

(J)


◎今年は昨日24日に嚴島神社の重要な神事である管絃祭がおこなわれました。
管絃祭|行事|一般社団法人宮島観光協会
http://osaka.yomiuri.co.jp/e-news/20130725-OYO1T00283.htm?from=main3