じゃぽブログ

公益財団法人日本伝統文化振興財団のスタッフが綴る、旬な話題、出来事、気になるあれこれ。

小豆島の農村歌舞伎舞台

香川県小豆島へは高松港からフェリーで約1時間(大阪、神戸、岡山などからの便もあり)。
 
土庄(とのしょう)港に着き、観光案内のパンフレットを眺めていたところ、小豆島で農村歌舞伎が開催されるというポスターを目にしました。以前、当ブログで映画「大鹿村騒動記」の話題がありました。この長野県にある大鹿村のような、演者と観客の距離が近くいっしょに盛り上っていく楽しそうな雰囲気を思い出し、小豆島ではどういった経緯で歌舞伎が始まったのだろうと興味津々。現在、小豆島には二つの舞台が残されています。観光案内サイト「瀬戸マーレ」によると、

小豆島の農村歌舞伎には中山の舞台と肥土山の舞台とがある。中山の舞台は小豆島町池田中山の春日神社の境内にある。茅葺き寄棟づくり。中山農村歌舞伎は春日神社の奉納芝居として毎年10月第2日曜日に上演される。土庄町肥土山の舞台は肥土山離宮八幡神社で上演され、300年余りの伝統を誇る。毎年、5月に、肥土山自治会の6つの組が持ち回りで上演している。ともに国指定有形民俗文化財
「瀬戸マーレ、小豆島の農村歌舞伎」より引用

小豆島に数ある港からだと、土庄港か池田港からが近いでしょうか。土庄港から10キロほどのところに二つの舞台があります。
肥土山(ひとやま)の舞台
 
 

中山の舞台
 
 
肥土山の舞台で「ご自由にお持ちください」ということでいただいたパンフレット「肥土山農村歌舞伎の紹介」によれば「土庄町肥土山地区、時の庄屋太田伊左衛門典徳が、3年の歳月と私財まで投じて貞享3年(1686年)蛙子池を完成し、その池水が伝法川を伝って離宮八幡神社の境内へ流れてきた時に、当時の村人が喜びのあまり神社の境内に仮小屋を建てて、芝居をした(パンフレットより)」のが始まりとのこと。貞享(じょうきょう)3年(1686年)、元禄年間の少し前ということで、こちらも実に長い歴史があるのですね。客席は山の斜面を利用した作りですが、上演時はどんな雰囲気になるのでしょうか。
その上演時の楽しそうな様子が、Webサイトで数多く紹介されています。そんなWebサイトのひとつ、NPO法人DREAM ISLANDによる「肥土山農村歌舞伎」上演時の様子を紹介しているページへリンクを貼らせていただきますこちら
これら二つの舞台はお互い比較的近くにあります。さらに中山の舞台のすぐ近くに中山千枚田という棚田の絶景(写真)が広がっており、心休まる素敵なところ。いわゆるオリーブや映画で有名な「二十四の瞳」といった漠然としたイメージだけを持って訪れた小豆島でしたが、こうした芸能が島で今もしっかりと息づいていることを知りました。

(じゃぽ音っと編集部T)