じゃぽブログ

公益財団法人日本伝統文化振興財団のスタッフが綴る、旬な話題、出来事、気になるあれこれ。

たまには読書してみた

『楽譜を読む本〜感動を生み出す記号たち』(ヤマハミュージックメディア)という本が面白くって、今日はそこからの引用で進めます。

P.32…つまり、楽譜を読んで声に出すことこそが、音楽教育の一つの根本なのです… →私も三味線を習ったことがあるのですが、まさにそういった方式でした。これが苦痛で・・・。楽器を演奏することはもともと好きでギターなどは持っていたのですが、弾く前にその旋律をまず歌ってからというのにどうしても馴染めなかったものです。小学校以来どうも歌うことが苦手で。同ページでは音楽の基礎訓練であるソルフェージュ、それが高度化した「移調」「即興」などが<音響><楽譜>などの言葉で図解されています。
P.39…楽譜をその周囲のネットワーク込みで読み、さらに自らの個性を付すことこそが演奏家の役割ということになるでしょう。そして、実はそれこそが本来の意味で「楽譜に正確な」演奏なのだと思います… →フォルマント兄弟の兄:三輪眞弘氏が楽譜を見ながら演奏することにずっと違和感を感じていたという意味のことをおっしゃっていて、私もまさにそんなふうに思っていたのですが、楽譜を凝視しつつ個性を付すというところまでいくのがなかなか難しいわけですよね。もっともそこまでいってプロのプレイヤーなわけですが、習い事のレベルでやっているとなかなか・・・。この項ではこういった実際の演奏における慣習的な処理について説明されています。
P.41…多くの伝統音楽の世界では「口伝(くでん)」の力を借りることによって、音楽を保存・伝承しています。この場合、楽譜は記憶を呼び起こすための「きっかけ」に近いものといえるかもしれません… →当財団の領域に入ってきた感じです(笑)。日本の楽器はチューニングも狂いやすいわけですが、それぞれの音の音程感やリズムの微妙なゆらぎ・間、といったものは職人的に感覚で覚えていくしかないようです。そこに楽器それぞれの研ぎ澄まされた音色が加わって、素晴らしい音楽が生み出されているわけですね。おしまいに同ページから…実は音楽を学ぶ、ということは「楽譜外」のあれこれを学ぶことでもあります
以上引用は全て沼野雄司氏の執筆部分より
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フォルマント兄弟 Official Web

(J)