じゃぽブログ

公益財団法人日本伝統文化振興財団のスタッフが綴る、旬な話題、出来事、気になるあれこれ。

珍島シッキムクッ

韓国の南西部、全羅南道(チョルラナムド)の珍島(진도 チンド)。珍島は韓国では済州島・巨済島に次いで3番目に大きな島で、朝鮮半島本土から幅300メートル程の海峡を挟んで位置する島だそうです。
珍島では、毎年4〜5月頃のわずか数日間、潮が引いて1時間ほど海に道が出来る現象がおこるそうです。これを「珍島の海割れ」といい、たくさんの観光客が訪れ、お祭りやイベントが開催されるそうです。
私が子供のころは、韓国について知る機会は少なかったですが、いまではどんどん情報が入ってきますね。時代の流れについていけない私でも、「冬のソナタに出演するヨン様を偶然テレビで見かける」→「韓流にはまる」→「東方神起のタッチ会に行く」(◆)と、流行に乗って頑張りましたが、波が押し寄せすぎて、またついて行けなくなっています(笑)。それでも韓国語が多少ですが、聞き取れるようになるとは、思ってもいませんでしたし、実際に韓国を訪れたことはありませんが、私のようにドラマなどで生活様式などの違いを知り、また歴史や文化についても興味を持たれた方がいらっしゃるのではないでしょうか。
そのような皆様におすすめの公演が開催されます。
「韓国珍島の死と祝祭」(大韓民国)(◆)
Festivals of Death and Celebration on Jindo Island in South Korea Republic of Korea 7月20日(金) 草月ホール(港区赤坂)にて 19時開演
韓国の全羅南道の珍島は民俗文化の宝庫です。死者の霊を弔うシャーマンによる「シッキムクッ」、喪家の悲しみを和らげるという寸劇風の「珍島ダシレギ」、「珍島挽歌」などのシャーマン関連の芸能に併せ、有名な「珍島アリラン」などの民謡で珍島の育んだ民俗伝統が息づく音楽と歌を紹介します。

写真:韓国国立文化財研究所提供
韓国語の「クッ」は漢字で、巫儀、神事などと表記するそうです。「珍島シッキムクッ」は、亡くなった方の恨みを解き放ち、魂が極楽浄土へいけるようにする儀式で、聴く人の心を打つ深い哀悼の巫歌、そして固有の音楽・舞踊・演劇的要素が調和しているのだそうです。
儀式では、長い白布の結び目を、唄に合わせて解く場面もあるそうで、そこには、この世で成せなかった思いや願いを晴らす意味があるとのことです。
またアリランは韓国の代表的民謡で、地方によって歌詞や節回しがいろいろあるそうです。「珍島アリラン」も、同じ歌詞でも歌い方によって変わってくるのだそうです。韓国映画イム・グォンテク監督の『風の丘を越えて西便制』(1993)では、実際のパンソリ歌手オ・ジョンヘさんらによる珍島アリランが聴けるそうです。「西便制」(ソピョンジェ)とは、朝鮮の伝統的演唱芸能パンソリの一流派とのこと。

JVCワールド・サウンズ」シリーズでは『<韓国/シャーマン音楽>死者への巫儀/珍島シッキムクッ』というCDがリリースされています。

映画、CDもご紹介いたしましたが、今回は是非会場にお越いただき、実際にご覧いただければと思います。

(制作担当:うなぎ)