じゃぽブログ

公益財団法人日本伝統文化振興財団のスタッフが綴る、旬な話題、出来事、気になるあれこれ。

小唄の1日体験に行ってきました 〜 “とよ津満の会”

先日ブログで既にご報告の通り、「第53回ビクター名流小唄まつり」は、お蔭様で盛会に終えることができました。ご出演の皆様、ご来場の皆様、ご協力くださった皆様、ありがとうございました!
これに先立つこと2日、7月7日(日)に、「小唄の1日体験」と題するワークショップをみつけ、こんな可愛らしいチラシに惹かれた私、「人生何事も経験・体験!」とばかりに、参加してまいりました。
会場の春日会館には、15名の参加者全員分の三味線がずらりと用意され、三味線屋さんが調弦を取ってくださるという有難いお心遣い。
「ひざゴム」と「指かけ」も、ちゃんと人数分用意されています。「ひざゴム」は、三味線を構える時に、膝の上に敷いてから三味線を乗せて滑り止めに使うゴムシート。「指かけ」は、左手の親指と人差し指にかけて、棹に当たる左手を動きやすくします。

さて、講座が始まりました。この日の学習曲は「伽羅の薫」と「ぬれて見たさ」。まずは、講師の春日とよ津満師による模範演奏・演唱。つい聴きほれてしまいそうになりますが…
こちらが唄の楽譜です。歌詞の右側に付けられた線が、音の高さや動きを示しているのですが、あくまで心覚えのメモ。耳で覚え、師匠に付いて唄いながら覚えるのが肝腎なようです。


とよ津満師の軽快なリードで2曲を唄えたところで、次はいよいよ三味線に挑戦します。曲は先程の「伽羅の薫」。
こちらが三味線の楽譜。3本の弦のうちの、どの弦の、どこを、左手のどの指で、どのタイミングで押さえるか、を示しています。そして右手は、爪弾き、なのですが、ここで驚きの事実が―――

爪弾きとは、爪で弾くのではない!

人差し指の肉の部分で弾く、というのですが、クラシックギターのように弦を下から掬い上げる(アップストローク)ならともかく、弦を上から下へ弾こう(ダウンストローク)とすると、爪が弦に当たってしまいがちです。爪を弦に当てないようにするために、どうするかというと、親指を人差し指の腹の第1関節近くにぐっと立てて、指の肉を中指方向に押し出すのだそうです(この写真は、習いたての私の手ですので、お手本なるかどうかわかりません;)
かつて、長唄三味線をほんの少しばかり嗜んだ私ですが、このように教わった途端、まったく音が出ない、指が弦に当たらない状態になってしまいました!
「撥で弾くより難しいですね」と穏やかに微笑む先生の右手人差し指にはタコが…

とよ津満師と、助手のとよ五幸師、とよ高壽師、とよ小宏師、そして、とよ津満師のお弟子さんの、とよ津雅師、とよ津雅啓師で、参加者ひとりひとり懇切丁寧にチェックして回ってくださって、まったく初めて三味線に触れた参加者も1行目が弾けるようになり、達成感充分、充実の2時間でした。
次回開催予定は2014年2月9日(日)、講師は春日とよ高壽師とのこと。いまから楽しみです〜♪

今回、講師を務めてくださった、春日とよ津満師のリサイタルが、9月に開催されます。

第二回とよ津満の会
[日時] 9月8日(日)13:30開場/14:00開演
[会場] 紀尾井小ホール
  四ツ谷駅 (JR線・丸の内線・南北線)麹町口徒歩6分
  麹町駅 2番出口 (有楽町線)徒歩8分
  赤坂見附駅 D出口 (銀座線・丸の内線)徒歩8分
  永田町駅 7番出口 (半蔵門線有楽町線)徒歩8分
  アクセスは こちらのページ をご覧ください
[入場料] 3,000円
[チケットお申込・お問合せ]
  春日会事務局 Tel.03-3821-4579
  春日とよ津満 Tel.03-3811-7355

春日とよ津満師は、小唄の演奏家として活躍されるばかりでなく、文化庁より宮薗節三味線方の重要無形文化財の総合認定を受け、財団法人清栄会より宮薗節三味線方として奨励賞も受賞しておられるとのこと。
秋の初めに、宮薗節と小唄の両方を堪能できる、貴重な一日になりそうです。

春日とよ津満師 公式サイト
春日会 公式サイト

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(YuriK)