じゃぽブログ

公益財団法人日本伝統文化振興財団のスタッフが綴る、旬な話題、出来事、気になるあれこれ。

磯節全国大会予選会が行われました!

茨城県を代表する民謡「磯節」の全国大会予選会が、去る2月1日(土)、2日(日)の2日間にわたり開催されました。磯節の日本一を決定する全国大会として、毎年全国各地から多くの民謡愛好家が出場されます。今年は第35回目の記念大会で、水戸市での開催となりました。
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今年の予選会には、19歳から93歳までの387名の応募があり、この中から上位50名が決戦会へと選出されます。その50名を決める予選会でした。

主催の磯節全国大会実行委員会は、水戸市ひたちなか市大洗町、水戸観光協会ひたちなか市観光協会、大洗観光協会からなり、この大会の成功の為に全員が一丸となって運営しています。会場となった駿優教育会館大ホールには朝早くから関係者が集まり、私達がうかがった9時には準備万端全て整っていました。そして磯節の半纏を身にまとったスタッフの皆様のさわやかな朝の挨拶に迎えられて、出場者も私達も1日頑張る元気をいただいて会場に入ることが出来ました。

2日間とも開始の前には、審査員紹介、伴奏者紹介、各担当者の紹介などがあり、10時から予選会が始まりました。出場者387名のうち、1日目は190番まで、2日目は191番から387番までが歌唱しました。

磯節の歌詞はいろいろありますが、2つほどご紹介します。

♪磯で名所は大洗さまよ(ハアー サイショネ) 松が見えます ほのぼのと (ハアー松ノネ)見えます イソほのぼのと

♪水戸を離れて東へ三里  波の花散る大洗 (お囃子は同じ)

出場者は歌詞を自由に選べるとあって、それぞれが思い思いの歌詞で自慢の喉を競い合いました。情緒豊かな歌詞が磯節の魅力です。安政年間には、すでに漁師達の間で唄われていたとも伝えられ、その後、座敷唄として三味線の伴奏がついて、花柳界で盛んに唄われるようになったそうです。格調高い曲調も人気の理由のひとつだと思います。

2日間で全員の「磯節」を聞かせていただきました。いつもの調子で歌えた人、調子が出なかった人、失敗してしまった人もいたと思いますが、全員に共通していたのが磯節への愛でした。一節一節を大事に、丁寧に唄っていました。10代の若い磯節も、90代のおばあちゃまが唄う味のある磯節も、雰囲気こそ違うけれども、人々の生活と心を唄った磯節に、唄い継いで来た豊かな郷土の歴史を感じることが出来ました。

来る2月11日(火・祝)に、いよいよ決戦会が行われます。決戦会に残った50名の皆様、頑張って下さい。
詳細はこちらです。
第35回記念磯節全国大会決戦会
会場:茨城県立県民文化センター大ホール 
開場:9時/開演10時
入場券:前売り2,000円・当日2,500円
ゲスト:石川喜代美さん(コロムビア)/杉本武志さん(江差追分全国大会優勝者)/東梅育恵さん(十日町小唄全国大会優勝者)他

お近くの方、ぜひ歴史ある磯節と、その全国大会の雰囲気を味わいにお越し下さい。

(K)