今年2010年は平城京遷都から1300年目に当たり、奈良ではさまざまな文化イベントが開催されました。「平城遷都1300年祭」とは、「平城遷都1300年記念事業推進委員会」、「日本と東アジアの未来を考える委員会」、「東アジア地方政府会合実行委員会」という三つの団体によって運営された大規模な事業でしたが、そのなかの「日本と東アジアの未来を考える委員会」が主体となって取り組んでいるのが<弥勒プロジェクト>です。
<弥勒プロジェクト>とは何かを説明すると、「今日の日本や東アジアを取り巻くさまざまな困難や課題を克服するため、古代の日本から現在に至るまでの歴史の変遷を振り返り、知恵を学びくみ取りながら、わが国の新たな機軸“JAPAN AXIS”を発見・再構築し」、「これからの百年を見通した、日本と東アジアが目指すべき進路を構想」して、将来への提言を行ない、同時に新たなネットワークを作り上げようという、まあとにかく盛り沢山で、大変に志の高い壮大な企画であるわけです。たぶん来年には立派な報告書も出版されるでしょう。これまでに開催された委員会や研究会のレポートは、すべて「日本未来編集ネットワーク MIROKU」のホームページ上で読むことができますが、いくつかを拝見したところ、かなり刺激的な議論が重ねられたようです。◆
その<弥勒プロジェクト>が一般に向けて発信するイベントが、12月18日(土)・19日(日)の両日、奈良県文化会館国際ホールで開催される「グランドフォーラム−NARASIA 2010」です。
「奈良とアジアをまたぐ〈知〉と〈遊〉と〈祝〉の格別なトークセッションとパフォーマンスを2日間にわたり展開し、日本と東アジアの平和と発展のガイドラインとなる『平城京レポート』を発表します」と謳われていますが、そのパフォーマンス部門に、当財団からCDを発売しているお二人の音楽家が出演します。パーカッショニスト土取利行さんと尺八奏者の中村明一(あきかず)さんです。お二人の共演は、初日18日(土)の「安田登+中村明一+土取利行+おおたか静流による能と音と声を交えたパフォーマンスセッション」となります。翌19日(日)には、「井上鑑+金子飛鳥+中村明一によるミュージックセッション」と、「土取利行+金梅子(キム・メジャ):韓国舞踏家と日本のパーカッショニストによるパフォーマンスセッション」がそれぞれ組まれています。
入場は先着順で無料。インターネットを通じて申込み可能です。◆
日時:
1日目2010年12月18日(土)13:30〜17:30
2日目2010年12月19日(日)13:00〜17:00
場所:
奈良県文化会館国際ホール(奈良市登大路町6-2)
主催:
日本と東アジアの未来を考える委員会・奈良県
【プログラム】
◆1日目/2010年12月18日(土)13:30〜17:30
<都>プロローグ
荒井正吾 オープニングスピーチ
<風>テーマトーク
いとうせいこう+松岡正剛 トーク
川勝平太 スピーチ
<文>NARASIAロード
日本と東アジアの未来を考える委員会委員
チェーンディスカッション
<海>NARASIAインタースコア
現代アジアンアート上映
<身>NARASIAクロスロード
金子飛鳥+おおたか静流+井上鑑によるミュージックセッション
<間>NARASIAコラボレーション
安田登+中村明一+土取利行+おおたか静流による
能と音と声を交えたパフォーマンスセッション
<楽>ファイナルトーク
いとうせいこう+松岡正剛
出演アーティストのコラボレーション
◆2日目/2010年12月19日(日)13:00〜17:00
<時>イントロダクション
荒井正吾+松岡正剛 オープニングトーク
川勝平太+王敏+籔内佐斗司とのチェーントーク
<衣>NARASIAステージ
ワダエミ+松岡正剛 トーク
<交>NARASIAアジアンコード
井上鑑+金子飛鳥+中村明一によるミュージックセッション
<光>NARASIAジョイントセッション
土取利行+金梅子(キム・メジャ)
韓国舞踏家と日本のパーカッショニストによるパフォーマンスセッション
<臨>平城京レポート発表
平城京レポート発表のセレモニー
奈良密教青年会による声明
<遊>フィナーレ
松岡正剛+川勝平太 ファイナルトーク
まつぼっくり少年少女合唱団による合唱
出演アーティストのコラボレーション
※都合により、プログラムを一部変更することがあります。
詳細は「日本未来編集ネットワーク MIROKU」のサイトでご確認ください。
ちなみに、当財団から発売している土取利行さん関連作品はこちら。◆ 中村明一さん関連作品はこちら。◆
またおふたりともご自身のホームページを開設しています。
土取利行の音楽世界
Kokoo Official Website
中村明一さんのサイトは個人ではなく、中村さんがやっている尺八と箏2名によるバンド「Kokoo(コクー)」のサイトですが、公演情報など個人での活動についても発信しているようなのでご紹介しました。「Kokoo」はこの三人の編成でプログレッシヴ・ロックなども演奏してしまうというおそるべきユニット。キングレコードから2枚アルバムをリリースしていますが、アマゾンをみたら新品の販売をしていない。もしかして廃盤? それとも一時的な品切れ? 試聴はできます。1st ◆、2nd ◆
(堀内)